デスクに置く観葉植物、初心者が水耕栽培のポトスを選んだ理由
デスクに植物、どれがいいんだろう
先日、同僚たちの間で「オフィスのデスク周りに観葉植物を置こう」という話が持ち上がった。殺伐としがちな職場に少しでも緑を取り入れて、目の疲れや気持ちの倦怠感を和らげたい、ということらしい。一緒に注文しないかと誘われて、自分だけの癒しの一角を作れそうだと思う一方で、正直なところ、どの植物を選べばいいのか見当もつかなかった。バイオフィリックデザインという言葉すら、そのとき初めてちゃんと意識した。
オフィスのデスクは、植物にとって意外と過酷
同僚は注文する前にひととおり下調べをしていたらしく、教えてくれた話がなかなか現実的だった。オフィスの多くは自然光が入りにくいうえに、セントラル空調のせいで空気がかなり乾燥している。人間にとっては快適なその環境が、植物にとってはむしろ厳しい部類に入るという。
そのうえ初心者にありがちなのが、いわゆる「植物殺し」問題だ。忙しさにかまけて水やりを忘れて枯らしてしまうか、逆に心配しすぎて頻繁に水をやりすぎて根腐れさせてしまうか、たいていこのどちらかに転ぶ。デスクの上のスペースも限られているので、手入れが簡単とは言えない、体が大きくて葉がよく落ちたり、コバエを呼びやすい鉢は最初から選択肢に入らない。
同僚がすすめてくれた4つの候補
初心者が植物を選ぶときの原則は、突き詰めると「コンパクトで耐陰性があり、葉が落ちにくいこと」に尽きるらしい。成長が早すぎたり、葉が伸び放題になる品種は避けたほうがいいそうだ。デスク周りの統一感を考えるときの発想と、実はそう遠くない。同僚が挙げてくれた定番の候補はこの4つだった。
| 植物 | 特徴 | デスクに向く理由 |
|---|---|---|
| ガジュマル | 見た目に癒し感があり、成長が遅い | ほとんど場所を取らず、姿もほぼ変わらない |
| パキラ(ミニ盆栽) | 仕事運が上がると言われることが多い | 乾燥に強く、間接光でもしっかり育つ |
| ペペロミア | 小ぶりで繊細な葉姿 | 光の条件をほとんど選ばず、狭いスペースに収まる |
| ポトス(水耕栽培) | 土を使わず、茎を水に挿すだけ | デスクが汚れず、コバエも寄りつきにくい |
話を聞いた時点ではどれも良さそうに思えたが、私はもともときれい好きな性格で、土をデスクにこぼす可能性そのものが気になってしまう。というわけで、水耕栽培のポトスに決めた。
水に挿すだけ、が想像以上にちょうどよかった
ポトスの水耕栽培は、拍子抜けするほど単純だった。茎を数センチ切って、お気に入りのガラスコップに挿す。あとは数日おきに水を替えるだけで、根がゆっくり伸びていくのを眺められる。植木鉢のように土の状態を気にする必要もなく、乾かしすぎる心配も、水のやりすぎで根腐れさせる心配もほぼない。香りで集中力を高める工夫と同じように、視界の中に小さな儀式を一つ増やす感覚に近かった。
デスクに緑を置いてから、実際に変わったこと
数日後、注文していた鉢とポトスの苗が届いた。デスクの上に置いて、水を張ったガラスコップの中で揺れる緑を眺めていると、思っていた以上に気持ちがほぐれる。決まった時間に水を替えるだけの手間で、忙しくて単調になりがちな仕事のリズムの中に、目と頭を軽く休ませられる小さな時間ができた。
この感覚は気のせいではないらしい。アメリカ航空宇宙局(NASA)の「クリーンエア・スタディ」では、ポトスが室内空気中に含まれるホルムアルデヒドやベンゼンといった揮発性有機化合物を効果的に吸収することが確認されている。密閉されがちなオフィスの空気そのものをきれいにしてくれるわけだ。イギリスのエクセター大学の研究でも、ワークスペースに緑の植物を取り入れることでストレスホルモンが下がり、従業員の生産性と集中力が最大15%向上したという結果が報告されている。乾燥に強い品種を選んでおけば、週末オフィスを数日空けても慌てずに済む。土で汚れる心配がない分だけ、続けやすさでは水耕栽培に軍配が上がると、今は思っている。デスクの配置そのものを見直したときと同じで、小さな変更が積み重なって効いてくる感覚があった。